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PoC段階のWebサービスを本番運用できる状態へ再構築|セキュリティとインフラの見直し

検証のために短期間で作ったWebサービスを、そのまま一般公開してよいのか判断できないというご相談があります。動いてはいるものの、セキュリティや運用の面で不安が残るという状態です。

株式会社スキロジーでは、PoC段階で構築されたtoC向けWebサービスについて、本番運用に向けた再構築を実施しました。既存の構成とソースコードを調査したうえで、部分改修では本番運用に必要な要件を満たせないと判断し、バックエンド、認証、インフラを含めた再構築をご提案しています。

この記事では、ご相談時の状況、実施した内容、判断のポイントをご紹介します。

ご依頼内容 PoC段階のWebサービスを本番運用可能な状態へ再構築
期間 約4ヶ月
対応範囲 現状調査、再構築方針の策定、バックエンド開発、認証、インフラ構築、CI/CD整備
主な技術 Java、PostgreSQL、クラウド環境(AWS)、Docker、CI/CD

ご相談時の状況と課題

PoCを本番公開してよいか判断できず検討する場面

ご相談をいただいた時点で、PoCはすでに動作していました。画面から操作でき、想定していた機能もひととおり確認できる状態です。それでも一般公開に踏み切れなかったのは、検証目的で短期間に構築された構成のままでは、セキュリティとスケーラビリティの面で課題が残っていたためです。

PoCは「その機能が成立するか」を最短で確かめるための作り方をします。認証の厳密さ、権限の分離、データの保護、アクセス集中時の挙動、障害発生時の復旧手段は、検証段階では後回しになりやすい部分です。そのまま不特定多数のユーザーに公開すると、情報漏えいや、利用者が増えた時点でのサービス停止につながります。

観点 PoCで許容されること 本番運用で必要になること
認証・権限 限られた関係者だけが触る前提 不特定多数の利用を前提とした設計
データ 検証用データで動けばよい 実データの保護と、バックアップ・復旧の手段
負荷 同時利用はほとんど想定しない 利用者の増加に耐えられる構成
運用 手元で起動できればよい 監視、障害対応、継続的なリリース手段

PoCが本番に耐えないこと自体は、失敗ではありません。作り方の目的が違うためです。問題になるのは、どこまで作り直せば本番に耐えるのかが判断できないまま、公開の可否を決められない状態が続くことです。

ご提案と実施内容

既存システムのソースコードを調査する

最初に行ったのは、既存システムの構成とソースコードの調査です。どの部分が本番運用の障害になるのかを特定しなければ、改修の範囲も費用も見積もれません。

調査の結果、部分的な改修では本番運用に必要な要件を満たすことが難しいと判断し、バックエンド、認証、インフラを含めた再構築をご提案しました。以下が実施した内容です。

  • 既存システムの構成とソースコードの調査、本番運用上の課題の特定
  • バックエンド、認証、インフラを含む再構築方針の策定
  • バックエンドAPIのリプレイスおよびリファクタリング
  • データベースの移行
  • 認証処理の設計見直しおよび実装改善
  • 本番運用向けクラウドインフラの設計・構築
  • 開発・実行環境およびCI/CDパイプラインの整備

ここで重要なのは、すべてを作り直したわけではないという点です。画面や機能の考え方など、PoCで検証済みの資産は活かしています。作り直したのは、本番運用の可否を左右するバックエンド、認証、インフラの3つです。この線引きを最初に決めることで、期間と費用を抑えながら公開できる状態を目指しました。

あわせて、開発・実行環境とCI/CDパイプラインも整備しています。リリースのたびに手作業が発生する状態では、公開後の改修が滞るためです。

成果

本番運用向けのクラウド環境

約4ヶ月で、主要なセキュリティ上の問題を解決し、新しいクラウド環境へのリプレイスが完了しました。あわせて、リリースと運用を継続できる開発体制が整っています。

  • 本番公開の判断を妨げていたセキュリティ上の課題を解消
  • 利用者の増加を前提としたクラウド環境へ移行
  • 継続的なリリースが可能な開発・実行環境を整備

担当者の視点

バックエンドの実装作業

PoCは動くことを最短で確かめるための作り方をするので、そのまま本番に出せないのは自然なことです。重要なのは、どこを作り直せば本番に耐えるかを見極めることでした。活かせる部分は残し、認証とインフラは作り直すという判断をしています。

この見極めを飛ばして「全面的に作り直す」と決めてしまうと、費用も期間も一から開発するのと変わらなくなります。逆に、目についた不具合だけを直していくと、公開後に同じ原因のトラブルが繰り返されます。最初の調査に時間を使い、どこまでが作り直しの対象かを先に確定させることが、結果的に一番早い進め方になります。

同じような課題をお持ちの方へ

システム開発の相談・お問い合わせ

次のような状況であれば、まず現状の調査からご相談いただけます。

  • PoCや試作版は動いているが、そのまま公開してよいか判断できない
  • 外部に作ってもらったシステムの中身を、社内で把握できていない
  • 作り直すべきか、改修で済むのかを判断する材料がほしい
  • 公開後の運用まで見据えて、インフラや認証を見直したい

スキロジーは、業務システム・Webアプリ・AI機能の企画開発を行う福岡のシステム開発会社です。現状の調査と課題の切り分けからご相談いただけますので、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。