複数の開発会社から見積もりを取ったら、金額が倍以上違いました。どれが妥当なのか判断できません。
金額の差の多くは、各社が想定している「作る範囲」の違いから生まれます。金額を比べる前に、範囲を揃える必要があります。
見積もりは、作る範囲と作業量と単価の掛け算で決まりますが、差が大きいときに効いているのは単価より範囲です。依頼内容が数行の説明で終わっていると、ある会社は管理画面や権限、データ移行まで含めて見積もり、別の会社は画面の一部だけを見積もる、ということが普通に起きます。同じ名前の機能でも、想定している作り込みの深さが違えば金額は大きく変わります。
安い見積もりが悪いとは限りません。前提を絞った見積もりは、足りない部分を後から追加費用で補う前提になっていることがあり、高い見積もりは、決まっていない部分を予備として積んでいることがあります。どちらも、前提条件を読まないと良し悪しを判断できません。
妥当かどうかを判断できる状態とは、各社の見積もりに書かれた前提と除外事項を並べたときに、同じものを作る見積もりになっていることです。そこまで揃えたうえで残る差が、各社の進め方や体制の違いであり、ここで初めて金額を比べる意味が出てきます。
見積もりが大きく割れる主な原因
- 依頼内容が粗く、各社が別々の前提で範囲を補っている。
- データ移行、既存システムとの連携、権限管理など、目に見えにくい作業を含めるかどうかが会社ごとに違う。
- テスト、公開作業、公開後の不具合対応が見積もりに入っているかどうかが違う。
- 決まっていない部分を予備として積むか、後から追加費用とするかの方針が違う。
- 「一式」とだけ書かれて内訳がなく、何に費用がかかっているのか比べられない。
見積もりを並べて確認すること
金額の欄より先に、前提条件・作業範囲・除外事項の欄を読みます。各社の見積もりを1枚の表に並べ、同じ行に同じ作業が入っているかを確かめると、差の理由はほとんど見えてきます。分からない項目は、そのまま各社に質問して構いません。答え方そのものが、その会社を選ぶ判断材料になります。
- 作業範囲と除外事項(データ移行・連携・保守が入っているか)
- 前提条件(誰がどの資料を用意するか、仕様をいつまでに確定させるか)
- 工程ごとの内訳(要件定義・設計・開発・テスト)
- 仕様の変更や追加が出たときの扱い
- 公開後の不具合対応の期間と範囲
改善の方向性
- 業務の流れと、必要な画面・データの一覧を作り、各社に同じものを渡して見積もりを取り直す。
- 各社の前提と除外事項を一覧にし、範囲を揃えてから金額を比べる。
- 範囲を決めきれない部分は、要件定義だけを先に発注して確定させる。
- 最も安い会社ではなく、前提を明確に書いてくる会社を候補に残す。
他社の見積もりをお持ちの場合も、範囲や前提の読み解きからご相談いただけます。金額の大小ではなく、何が含まれていて何が抜けているかをお伝えします。作る範囲そのものを絞った方がよい場合は、その提案もします。
