生産管理システムが古くなっていますが、業務を止められないのでリプレイスに踏み切れません。
多くの場合はできます。一度に全部を切り替えるのではなく、新旧を並行して動かし、業務単位で移していけば、止めずに移行できます。
リプレイスで業務が止まる危険が高いのは、ある日を境に旧システムを止めて新システムに切り替える一斉移行です。切り替えた当日に不具合が見つかると戻る先がなく、受注や出荷が止まります。新旧を一定期間並行して動かし、同じデータで結果を突き合わせてから切り替えれば、この危険は大きく下げられます。
踏み切れない理由として多いのは、技術よりも、旧システムが何をしているのかが分からないことです。長く使われたシステムには、仕様書に載っていない計算や、特定の取引先だけの例外処理が入っています。これを洗い出さずに作り直すと、移行した後に「前はできていた」が次々に出てきます。
リプレイスを進められる状態とは、旧システムの機能と例外処理の一覧があること、どの業務からどの順番で移すかが決まっていること、切り替えた後に問題が出たら旧システムに戻せることの3つが揃っていることです。生産管理に限らず、販売管理や会計など、止められない業務システム全般に同じことが言えます。
リプレイスに踏み切れない主な原因
- 旧システムの仕様書がなく、全体を把握している人がいない。
- 一斉に切り替える前提で計画しており、止まったときの戻り方がない。
- 長年のデータの表記がばらばらで、新システムにそのまま移せない。
- 現場が今の画面と操作に慣れており、変えることへの抵抗が大きい。
- 保守の終了やサーバーの老朽化など期限に追われ、検討の時間が取れない。
最初に確認すること
旧システムで毎日・毎月使っている機能と、帳票やデータの出入りを一覧にします。担当者に1日の操作を見せてもらうのが確実です。あわせて、保守の終了時期やサーバーの更新時期など、いつまでに移す必要があるかを確認します。期限から逆算すれば、一度に移すか、段階的に移すかを判断できます。
- 日常的に使っている機能と、ほとんど使っていない機能
- 他のシステムやExcelとのデータのやりとり
- 特定の取引先や品目だけの例外処理
- 保守期限やサーバー更新など、移行の期限
- 移すデータの期間(全期間か、直近数年分か)
改善の方向性
- 旧システムの機能と例外処理を一覧にし、使っていない機能は移さない。
- 業務単位で移す順番を決め、影響の小さい業務から切り替える。
- 新旧を並行稼働させ、同じデータで結果を突き合わせてから切り替える。
- 移すデータの表記を、移行の前に揃えておく。
- パッケージ製品で足りる業務は、作り直さずに置き換える。
旧システムのソースコードや画面、出力している帳票を見せていただければ、何をしているかの調査から始められます。全面的な作り直しが必要か、一部の業務だけを切り出して置き換えられるかは、その調査の結果で判断します。

